もうすぐバレンタイン。
日本では女性が好きな男性にチョコレートを贈る日だったり、諸外国では男性が女性に花を贈る日だったり、内容は様々ですよね。
共通するのは、「愛」!皆さん愛があるから行動するのでしょう。
ということで、今回は「愛って何だろう?」と思わされる小説をご紹介。
こんな形の愛もあるのかと感銘を受けたり、これを愛と呼ぶのは違う!と思ったり、ご自身の中の「愛」の輪郭がきっとはっきりするはずです♪
角田光代『愛がなんだ』
これは私の中ではかなりの衝撃作。
テルコの行動は、彼への純粋な愛なのか、という問いが終始私の頭の中で渦巻いていました。結論は出ないまま。
仕事をほっぽりだし、自分の生活すべてを犠牲にして尽くす姿は、痛々しさを通り越して清々しいです。何より、彼女をぶっ飛んでいると思いつつ、恋した女子なら一度はやってしまった&感じたことのある気持ちが心の隅をチクチクしてきます。テルコを完全に見放せないのはそのせいかもしれません。
タイトルの「愛がなんだ」がピッタリの作品です。
湊かなえ『母性』
母への愛、娘への愛、夫への愛、自分への愛、どれがあなたを支配しているでしょうか。
本作の登場人物たちはそれぞれの明確な愛に基づき己の道を邁進します。誰も正しくなく、誰しもが正しい。
愛に正解がない故のぶつかり合いと苦しみが描かれています。
ミステリー小説なので、それぞれの愛が絡み合い生まれる結末も必見です。
白石一文『愛なんて嘘』
はっきりとタイトルで愛なんて嘘、と言われてしまいました。けれど、読み進めるうちに、愛って嘘みたいだけど、これを愛と呼ばずして何と呼ぶのだろう、という話もちらほら。はたまたこれがよくある話なら、愛なんて嘘かも、と思う話もちらほら。
どんな状況でも愛を見つけようとするか、突き放すかは自分次第だな、と思わされる一冊でした。
まとめ
様々な立場や状況での「愛」が登場する小説をご紹介しました。
みなさんの思う「愛」が更新されたり、確信を持てる本との出会いになっていると幸いです。