童話と言えば、みなさんはどの作品が真っ先に思い浮かびますか?
シンデレラ、赤ずきん、人魚姫、ヘンゼルとグレーテル…などなど。
私も幼い頃、様々な童話を読んでもらったり、読んだ記憶があります。
童話って、実は怖い話だったり、ハッピーエンドじゃなかったり、案外大人向けに作られている気がしてなりません。
今回は、童話を大人向けにアレンジ、解釈した小説を3冊ご紹介します。
馴染みのある物語が、ちょっぴりダークに、ユーモラスに生まれ変わっています。
ぜひお気に入りの解釈を見つけてくださいね♪
寺地はるな他『リアルプリンセス』
私は島本理生さんがお目当てで本作を購入しました。
島本さんが扱ったのは、「ラプンツェル」。
島に住む女子高生と、時折やってくる美容師の物語。
少女が痛みを知り、大人になっていく過程。
青春の失恋話、なんて甘いものではなく、大人の男のずるさや汚さが描かれると共に、少女が女として生きる覚悟が描かれています。
まるで、蛹から蝶が孵った瞬間を目撃したかのよう。
拍手を送りたくなるようなラスト、要チェックです!
その他のプリンセスたちも、原作の味は残したまま、個性的かつクスリとしてしまうキャラクターに仕上がっています。
佐野洋子『嘘ばっか』
二十六篇という数に驚きですが、どれも2〜3ページで非常に読みやすいです。
何より、毒っけがたまりません!!
あらすじにも記載のあるシンデレラ。半端じゃない精神力です。
あんなに強かな自己プロデュースをされたら、お人好しの義理の姉妹たちは勝てっこありません。
まま母が可哀想でなりません。
きっと王子は手のひらで転がされるのでしょう。
その他、子どもたちが知ったら仰天してしまうようなエピソードばかり。
登場人物の印象が180度変わってしまうようなものまで。
初めから終わりまで、佐野さんの想像力に感心しきりでした。
二十六篇なんて多い!と思っていましたが、今となってはもっと読みたいです。
内山純『土曜はカフェ・チボリで』
本作は、童話が話の筋ではありませんが、童話になぞらえた謎解きが行われます。
童話が書かれた当時の時代背景や、アンデルセン童話発祥の地・デンマークについての豆知識が学べます。
どの謎も、あたたかいものが多く、毒っけよりほっこりを求めている方は、こちらの物語をおすすめします!
読了後はお腹が空くこと間違いなしの美味しいデンマーク料理小説でもあります。
まとめ
気になる作品は見つかったでしょうか?
童話と毒はどうにも相性がいいようですね。
やはり、原作が子ども向けではないダークな部分を孕んでいるからでしょうか。
私は毒っけのあるユーモアが好きなので、どの作品も夢中で読んでしまいました。
原作を忘れてしまうほどパンチがある作品もあるので、要注意です(笑)