大人のユーモアたっぷり♡童話をモチーフにした小説3選

小説

童話と言えば、みなさんはどの作品が真っ先に思い浮かびますか?

シンデレラ、赤ずきん、人魚姫、ヘンゼルとグレーテル…などなど。

私も幼い頃、様々な童話を読んでもらったり、読んだ記憶があります。

童話って、実は怖い話だったり、ハッピーエンドじゃなかったり、案外大人向けに作られている気がしてなりません。

今回は、童話を大人向けにアレンジ、解釈した小説を3冊ご紹介します。

馴染みのある物語が、ちょっぴりダークに、ユーモラスに生まれ変わっています。
ぜひお気に入りの解釈を見つけてくださいね♪

スポンサーリンク
スポンサーリンク

寺地はるな他『リアルプリンセス』


あらすじ

鉢かづき姫、踊る12人のお姫様、ラプンツェル、エンドウ豆の上に寝たお姫様、乙姫、眠り姫──古今東西の様々なプリンセス・ストーリーを、現代に置き換えたら? 人気の女性作家6名が、それぞれ選んだ物語を題材に、時に切なく、時に温かく、時に残酷に紡ぎだした名短編集。

私は島本理生さんがお目当てで本作を購入しました。

島本さんが扱ったのは、「ラプンツェル」。
島に住む女子高生と、時折やってくる美容師の物語。

少女が痛みを知り、大人になっていく過程。
青春の失恋話、なんて甘いものではなく、大人の男のずるさや汚さが描かれると共に、少女が女として生きる覚悟が描かれています。

まるで、蛹から蝶が孵った瞬間を目撃したかのよう。

拍手を送りたくなるようなラスト、要チェックです

その他のプリンセスたちも、原作の味は残したまま、個性的かつクスリとしてしまうキャラクターに仕上がっています。

佐野洋子『嘘ばっか』


あらすじ

自己プロデュースに長けた野心的なシンデレラ、きりぎりすの奏でる音色に心動かされるあり、おじいさんのこぶを愛するおばあさん……。誰もが知っているおとぎ話が、佐野洋子一流のユーモアと毒がたっぷり加わって様変わり。面白くてちょっぴり怖い、二十六篇の絵入りパロディ集。

二十六篇という数に驚きですが、どれも2〜3ページで非常に読みやすいです。

何より、毒っけがたまりません!!

あらすじにも記載のあるシンデレラ。半端じゃない精神力です。
あんなに強かな自己プロデュースをされたら、お人好しの義理の姉妹たちは勝てっこありません。

まま母が可哀想でなりません。
きっと王子は手のひらで転がされるのでしょう。

その他、子どもたちが知ったら仰天してしまうようなエピソードばかり。
登場人物の印象が180度変わってしまうようなものまで。

初めから終わりまで、佐野さんの想像力に感心しきりでした。

二十六篇なんて多い!と思っていましたが、今となってはもっと読みたいです。

内山純『土曜はカフェ・チボリで』


あらすじ

土曜日しか営業しないうえ、店主は男子高校生という不思議な“カフェ・チボリ”。あたたかいもてなしにくつろいだ常連客たちは、身の回りで起こった謎について語りだす。それらは『マッチ売りの少女』や『みにくいあひるの子』などアンデルセン童話を連想させる出来事で──店主のレンがマッチを擦ると、謎解きの時間が始まる! デンマーク料理も堪能できる、安楽椅子探偵譚。

本作は、童話が話の筋ではありませんが、童話になぞらえた謎解きが行われます。

童話が書かれた当時の時代背景や、アンデルセン童話発祥の地・デンマークについての豆知識が学べます。

どの謎も、あたたかいものが多く、毒っけよりほっこりを求めている方は、こちらの物語をおすすめします!

読了後はお腹が空くこと間違いなしの美味しいデンマーク料理小説でもあります。

まとめ

気になる作品は見つかったでしょうか?

童話と毒はどうにも相性がいいようですね。
やはり、原作が子ども向けではないダークな部分を孕んでいるからでしょうか。

私は毒っけのあるユーモアが好きなので、どの作品も夢中で読んでしまいました。

原作を忘れてしまうほどパンチがある作品もあるので、要注意です(笑)





タイトルとURLをコピーしました