【2022年版】100冊読んだ私が選ぶ!印象に残った本15選

いよいよ2022年が終わろうとしていますね。

読書好きな皆様は、2022年はぐっとくる一冊と出会えたでしょうか

私が今年読んだ約100冊の中で、印象的だった本たちを一挙大公開します♪

※作家名順

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江國香織『思いわずらうことなく愉しく生きよ』


あらすじ

犬山家の三姉妹、長女の麻子は結婚七年目。DVをめぐり複雑な夫婦関係にある。次女・治子は、仕事にも恋にも意志を貫く外資系企業のキャリア。余計な幻想を抱かない三女の育子は、友情と肉体が他者との接点。三人三様問題を抱えているものの、ともに育った家での時間と記憶は、彼女たちをのびやかにするー不穏な現実の底に湧きでるすこやかさの泉。

犬山家の三姉妹のエネルギッシュさに、読んでいるうちにパワーが湧いてくる一冊。

各年齢特有の悩みや、それらとの向き合い方がパワフルに、疾走感たっぷりに描かれています。

小川洋子、堀江敏幸『あとは切手を、一枚貼るだけ』


あらすじ

きみはなぜ、まぶたを閉じて生きると決めたのー。かつて愛し合い、今は遠く隔たった「私」と「ぼく」。交わす言葉、ぬくもりの記憶、十四通の手紙から、やがて浮かび上がる哀しい秘密に、どこであなたは気づくでしょうか。互いの声に耳を澄まして編み上げた唯一無二の物語。その執筆過程を振り返る著者対談を収録。届くはずのない光をとらえ、偶然が必然に変わる、純水のように豊かな小説世界。

実際に小川さんと堀江さんが手紙でやりとりして完成した一冊とのことで、今まで読んできたどの作品とも異なる雰囲気。

時事や科学にまつわる話題など、小難しい!ですが、明かされない二人の関係や過去が醸し出す魅力に惹きつけられ、振り落とされないよう食らいつきながら読了しました。

角田光代『愛がなんだ』


あらすじ

「私はただ、ずっと彼のそばにはりついていたいのだ」-OLのテルコはマモちゃんに出会って恋に落ちた。彼から電話があれば仕事中でも携帯で長話、食事に誘われればさっさと退社。すべてがマモちゃん最優先で、会社もクビになる寸前。だが、彼はテルコのことが好きじゃないのだ。テルコの片思いは更にエスカレートしていき…。直木賞作家が濃密な筆致で綴る、全力疾走片思い小説。

何とまあテルコは狂っているのかと仰天した一冊。けれど、要所要所で共感してしまう自分も…。

恋愛が人を狂わすのか、狂っているから恋愛するのか、愛とは何なのか、を考えさせられました(答えは模索中)。

金原ひとみ『憂鬱たち』


あらすじ

神田憂は、今日こそ精神科に行かなければと思いながら、さまざまな事態に阻まれてどうしてもたどり着けない。彼女の周りに出没する年上の男性カイズさんと若者ウツイくんはいったい何者なのか?エロティックな思考が暴走し、現実が歪みはじめる。グルーヴ感のある文体が冴えわたる官能的ブラックコメディ。

“官能的ブラックコメディ”と評するのが本当にぴったりです。どこまでが神田憂の妄想が現実かすら分からないブレーキなしの暴走小説。

これだけ狂ってくれると、自分の中に潜む狂気が大人しくなります。頭がどうにかなりそうな時におすすめ。

こだま『夫のちんぽが入らない』


あらすじ

同じアパートに暮らす先輩と交際を始めた“私”。だが初めて交わろうとした夜、衝撃が走る。彼の性器が全く入らないのだ。その後も「入らない」一方で、二人は精神的な結びつきを強め、夫婦に。いつか入るという切なる願いの行方はー。「普通」という呪いに苦しみ続けた女性の、いじらしいほど正直な愛と性の物語。

タイトルからドキドキしてしまいますよね。読み終える頃には、疲労で動悸がしています。

タイトルのとおりの悩みを抱える主人公が、世間の普通と葛藤します。
人の幸せを自分基準で決めてはいけないと強く実感させられる一冊です。

齋藤薫『美人だけが知っている100の秘密』


見出し

フェミニン派NO.1女性ファッション誌、月刊『美人百花』
15年分の齋藤薫さんの連載『美人力』が待望の書籍化!「自覚と知恵があれば誰だって美人になれる」
「女としての引力を生むのは感じのよさ」etc.
5つの章に100話の美人になる法則を詰め込んだ、
美容本じゃないのに読むと必ず綺麗になれる素敵なレディになるための一冊
「この本が響くなら、あなたはきっと幸せになります」

「美人」には人それぞれいろんな定義があると思います。そんな中、確かに!なるほど!と思わせる定義やエピソードが盛りだくさん。

自分の中の「美人像」をアップデートしたり、時代に左右されない「美人像」を再確認できる一冊です。

島本理生『ファーストラヴ』


あらすじ

父親殺害の容疑で逮捕された女子大生・環菜。アナウンサー志望という経歴も相まって、事件は大きな話題となるが、動機は不明であった。臨床心理士の由紀は、ノンフィクション執筆のため環菜や、その周囲の人々へ取材をする。そのうちに明らかになってきた少女の過去とは。そして裁判は意外な結末を迎える。第159回直木賞受賞作。

今までの島本作品とは異なり、ミステリー要素が盛り込まれた一冊。

人は信じたいものしか信じられないし、見たいものしか目に入らない。
そんな風に人は都合がいい生き物だけれど、想像力を失わない限り愛し合えるの
かもしれない、と感じました。

田中兆子『私のことならほっといて』


あらすじ

家に、夫の左脚があるんですー。35歳で夫を亡くした“私”が火葬場から帰宅すると、ベッドの上に丸太のような脚が置かれていた。朝目覚めたときも、街で若い男を誘ったあとも、目の前に現れる片脚。辟易した私は山に捨てようとするが…。独身と偽っていた恋人に報復を試みる女性、ルームシェアする友人に匂いが好きだと言われ戸惑う女性。日常と異常の狭間に迷い込んだ七人を描く短編集。

家に死んだ夫の左脚があるなんて、どういう状況?!と言いたくなるあらすじ。

読み進めると、脚は意思を持って動き、ますます奇妙な方向へ。さらに、女友達に香りを盗まれた(と思い込んだ)り、夢の中で生きることにしたり、狂い始めた女性のオンパレード。

怪しげな世界観に目が離せません!

辻村深月『本日は大安なり』


あらすじ

企みを胸に秘めた美人双子新婦、プランナーを困らせるクレーマー夫妻、新婦に重大な事実を告げられないまま、結婚式当日を迎えた新郎……。人気結婚式場の一日を舞台に人生の悲喜こもごもをすくい取る。

爽快な結婚式小説。プランナーさんって大変だなあ、としみじみ。

辻村さんらしいゾッとする演出もあり、一気読みしてしまいました。

原田ひ香『三千円の使い方』


あらすじ

就職して理想の一人暮らしをはじめた美帆(貯金三十万)。結婚前は証券会社勤務だった姉・真帆(貯金六百万)。習い事に熱心で向上心の高い母・智子(貯金百万弱)。そして一千万円を貯めた祖母・琴子。御厨家の女性たちは人生の節目とピンチを乗り越えるため、お金をどう貯めて、どう使うのか?

将来にあれこれ思いを馳せながら、お金に疎い私はふむふむ、と学びながら読めました。

お金は大切だけれど、それが目的になるのと目の前の幸せが見えなくなってしまうんですよね。何を大切にしたいのか、改めて考える機会になりました♪

原田マハ『独立記念日』


あらすじ

恋愛や結婚、進路やキャリア、挫折や別れ、病気や大切な人の喪失…。さまざまな年代の女性たちが、それぞれに迷いや悩みを抱えながらも、誰かと出会うことで、何かを見つけることで、今までは「すべて」だと思っていた世界から、自分の殻を破り、人生の再スタートを切る。寄り道したり、つまずいたりしながらも、独立していく女性たちの姿を鮮やかに描いた、24の心温まる短篇集。

「独立」と言うと、会社などの大きなことをイメージしてしまいますが、本書ではささやかな自立や決意も含めて「独立」。

一歩踏み出したい時に、背中を押してくれる一冊です。

湊かなえ『母性』


あらすじ

女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。…遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。これは事故か、それともー。圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語。

今年映画が公開された話題作。

母とは、娘とは、女とは、と考えさせられる一冊。子どもが生まれたからといって自然に心まで親になれるとは限りませんよね。

村田沙耶香『コンビニ人間』


あらすじ

「いらっしゃいませー!」お客様がたてる音に負けじと、私は叫ぶ。古倉恵子、コンビニバイト歴18年。彼氏なしの36歳。日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる。ある日婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて…。現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作。

世間の言う「普通」とは幸せなのか?と問いかけてくる一冊。

マウントを取ってくる友人とのBBQや、同棲することになった勘違い男や、本を閉じても不快感に支配されるくらいのリアルさ。

何の責任も負えない他人が人にとやかく言ってはいけないと肝に命じました。

村田沙耶香『地球星人』


あらすじ

恋愛や生殖を強制する世間になじめず、ネットで見つけた夫と性行為なしの婚姻生活を送る34歳の奈月。夫とともに田舎の親戚の家を訪れた彼女は、いとこの由宇に再会する。小学生の頃、自らを魔法少女と宇宙人だと信じていた二人は秘密の恋人同士だった。だが大人になった由宇は「地球星人」の常識に洗脳されかけていて…。芥川賞受賞作『コンビニ人間』を超える驚愕をもたらす衝撃的傑作。

読了後は放心状態。後半の怒涛の展開に脳が大混乱でしたが、現代の人類の「常識」を打ち砕く快感を感じました。

ラストの解釈は人によって大きく変わりそうで気になります。印象的度合いだけでは今年ナンバーワンかもしれません。

若林正恭『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込み』


あらすじ

若手芸人の下積み期間と呼ばれる長い長いモラトリアムを過ごしたぼくは、随分世間離れした人間になっていたー。スタバで「グランデ」と頼めない自意識、飲み屋で先輩に「さっきから手酌なんだけど!!」と怒られても納得できない社会との違和。遠回りをしながらも内面を見つめ変化に向き合い自分らしい道を模索する。芸人・オードリー若林の大人気エッセイ、単行本未収録100ページ以上を追加した完全版、ついに刊行!

若林さんってこんなに尖っていたのかー!と驚きながら、ユーモアたっぷりの文章で一気読み。

クスクス笑える小ネタを挟みながら、人は年齢を重ねると多少生きやすくなるのかも、と明るい気持ちになれました。



みなさん良いお年を…☆

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