もう夏がきたのでしょうか。
こんなに暑くなるなんて。
きっと、みなさん冷たいものを食べたり飲んだり、冷房をかけたり、あらゆる暑さ対策をしていると思います。
もっと涼しくなるために、ゾッとする小説はいかがでしょうか?
幽霊話もいいですが、今回は人間の恐ろしさがこれでもか!と描かれている小説をご紹介します。
殺人事件などのミステリー系ではなく、より身近な日常のゾッとする話を3冊選びました。
読書しながら、身体の温度を下げてしまいましょう♪
辻村深月『ふちなしのかがみ』
「学校の七不思議」、誰しもが一度は耳にしたことがあることでしょう。
そんな懐かしくも、恐ろしくもある怪談。
辻村さんの手にかかると、人間の執着や呪いが生み出した恐怖から、得体の知れない恐怖まで。
バリエーション豊かな恐怖のオンパレード。
在らざるものを見てしまった時、そこには後ろめたい心当たりがありませんか?
生きている人間や普通に見える人間が一番怖い、と思わされる夏にぴったりな一冊です。
唯川恵『息がとまるほど』
嫉妬や騙し合い、誹謗中傷など人のえぐさや心の奥を全面に描いた一冊。
分かりやすい敵意はもちろん怖いけれど、穏やかだったり、親切な人の裏切りほど刺さりますよね。
無条件に信じていた自分にも、笑顔でそんなことする人にもゾッとして、血の気が引きます。
山本文緒『恋愛中毒』
この作品は今までの2冊とは少し毛色が違います。
裏切りや誰かを傷つける類の恐怖ではなく、じわじわと後からくる不快感と恐ろしさ。
主人公の水無月の創路への狂いっぷりが異常です。
本気で誰かを愛したことがある人は共感できるポイントもあるかと思いますが、スピード感と自己犠牲がすさまじい。
水無月の思考や言動が恐ろしいのです。
露骨な恐怖は苦手だけれど、本で涼んでみたいという方は、お手に取ってみてください。
まとめ
涼しくなれそうな本は、見つかったでしょうか。
幽霊や怪異だけが、寒さを連れてきてくれるものではありません。
何よりも怖いのは、人間なのですから。
怪異を生み出すのも、誰かを裏切るのも、人間ですものね。