忙しくてなかなか読書の時間が取れない、けれど読書はしたい!そんな時は本を探すのも大変。
そんな多忙なあなたにおすすめの、隙間時間や移動時間に楽しめる短編小説をご紹介します。
川上弘美『ぼくの死体をよろしくたのむ』
うしろ姿が美しい男に恋をし、銀色のダンベルをもらう。掌大の小さな人を救うため、銀座で猫と死闘。きれいな魂の匂いをかぎ、夜には天罰を科す儀式に勤しむ。精神年齢の外見で暮らし、一晩中ワルツを踊っては、味の安定しないお茶を飲む。きっちり半分まで食べ進めて交換する駅弁、日曜日のお昼のそうめん。恋でも恋じゃなくても、大切な誰かを思う熱情がそっと心に染み渡る、18篇の物語。
どの物語も短いだけでなく、後味が良いのでさくさく読み進められます。
クスッとしてしまうような物語から、ハッとさせられるものまで。
寝起きや、ティータイムにおすすめの一冊です。
原田マハ『ギフト』
もやもやとした気持ちを抱いて私は旅に出る(「この風がやんだら」)。大学時代の親友の結婚式へ向かう特別な近道(「コスモス畑を横切って」)。海外留学の前夜、桜並木の下を父親と歩く(「そのひとひらを」)。エニシダの枝に飾られた、彼からのメッセージ(「花、ひとつぶ」)。希代のストーリーテラーが、慌ただしい日常の中に潜む小さな幸せを描き出す、心温まる20の物語。母と娘の切ない絆を描いた短編「ながれぼし」を併録。
私のおすすめ作家の一人、原田マハさんの短編集。
ほとんどが数ページの物語で、まるで詩を読んでいるかのよう。
どの短編も温かく優しい物語で、「ギフト」というタイトルがピッタリの一冊です。
数分で読める物語ばかりなので、寝る前や気分転換におすすめ。
山本文緒『ファースト・プライオリティー』
一番大切なのは、何をする時間ですか?今、一番したいことは何ですか?絶対手放せない、私の最優先なこと。それは、人が見れば笑ってしまうようなこだわり。恋だけでも家庭だけでも、仕事だけでもない。三十一歳、初めて気づく、ゆずれないことの大きさ。そこに、本来の自分を形作るものが見えてくる。はたして人は、大事なものだけで生きられるのか?揺らぎ惑う大人たちを描く、山本文緒の世界。
同じ31歳でも、31人いればこんなにも人生が違うのか、と改めて実感。
それぞれが悩みに向き合いながら不安定さの中で生き抜いています。
どの主人公たちもまるで私たちのようで、どこにでもいそうな彼女たちに思わず共感し、あっという間に読み終わってしまうこと間違いなしです。
仕事の休憩時間、人と会って疲れた帰りの電車で読むのがおすすめ。
まとめ
忙しくても読んでみたい一冊は見つかったでしょうか。
短編集ならすぐに区切りのいいところまで読むことができますし、続きが気になって仕事が手につかない!なんてことも起こりにくいですよね。
少しの時間で読書を楽しむことができる短編集、ぜひお手に取ってみてください。