あなたにとって“愛”とは?タイトルに“愛”がつく小説5選

小説

愛って何でしょう。

難しい問いですよね。けれど、誰しもが一度は考えたこと、あるのではないでしょうか。

回答は三者三様でしょうし、正解もないと思います。

けれど、答えを求めたくなってしまうのが人間の性。

ふとした時に訪れる、「これが愛なのかもしれない」という瞬間。

そんな瞬間を大切にしたいな、と思いながら、今回は分かりやすく“愛”がタイトルに入っている恋愛小説をご紹介します。

まだ愛をよく知らない方も、愛とは長い付き合いだ、という方も、自分と似ている愛や、全く知らない形の愛と触れ合ってみてください。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

唯川恵『愛なんか』

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

愛なんか (幻冬舎文庫) [ 唯川恵 ]
価格:544円(税込、送料無料) (2022/4/27時点)


あらすじ

平凡な結婚を控えた公美は、偶然出会った男とのセックスで快楽に目覚め、全てを捨てて彼の元へゆき水商売を始める。一年後、かつての婚約者と再会するが……(「ただ狂おしく」)。仕事にも結婚にも答えを見つけられない女たち。人生という長い旅の幸福な結末を求め、覚悟を決めて歩き出す彼女たちの、孤独と痛みを描ききる、ビターな恋愛小説集。

「ビターな恋愛小説集」という名にふさわしい大人な短編集です。

別れの気配を書かせたら唯川さんの右に出るものはいないのでは?と思うほど、生々しい心情描写の数々。

どの男女もどこにでもいそうで、むしろ私自身かもしれなくて。
つまり、よくある愛の形なのでしょう。

別れによって知る愛、別れの形で分かる愛。

綺麗な別れも、許せなさも、愛の形と教えてくれる一冊です。

角田光代『愛がなんだ』

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

愛がなんだ (角川文庫) [ 角田 光代 ]
価格:572円(税込、送料無料) (2022/4/27時点)


あらすじ

「私はただ、ずっと彼のそばにはりついていたいのだ」──OLのテルコはマモちゃんに出会って恋に落ちた。彼から電話があれば仕事中でも携帯で長話、食事に誘われればさっさと退社。すべてがマモちゃん最優先で、会社もクビになる寸前。だが、彼はテルコのことが好きじゃないのだ。テルコの片思いは更にエスカレートしていき……。直木賞作家が濃密な筆致で綴る、〈全力疾走〉片思い小説!解説・島本理生

初めて読んだ時、私の度肝を抜いた一冊です。

果たしてこれは、愛なのか?と思ってしまうような、テルコの異常なほどの執着。

あらすじだけでも分かるテルコの暴走っぷり。

登場人物それぞれが自らの愛の形を貫く姿、もはやあっぱれです。

テルコのぶっ飛び具合にどのくらい共感できる人がいるか定かではありません。

けれども、テルコの考え方や行動の元となる“愛”は、私たち誰しもが持ち得るもので、完全に彼女を変人扱いすることができません。

どこかしら、共感ポイントや似たようなことやってしまったことあるポイントが見つかってしまうのです。

だからこそ、映画化までされ、多くの人に愛されているのでしょう。
(映画では、成田凌さんがマモちゃんを演じたそうで、個人的には想像だけで大興奮でした)

テルコの想いを、愛の最終形態と感じるか、愛とは呼べないと思うか、ぜひご自身の感覚で確かめてみてください。

唯川恵『愛には少し足りない』

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

愛には少し足りない (集英社文庫) [ 唯川恵 ]
価格:523円(税込、送料無料) (2022/4/27時点)


あらすじ

理想的な恋人卓之との結婚が決まり幸福な早映は、彼の叔母優子の結婚パーティでセックスに奔放な麻紗子と出会う。軽蔑しながらも、麻紗子によって早映は自分の「本音」と向き合わされる。一方で結婚式の準備は進むが、卓之と優子には秘密があった。穏やかな未来を信じていたのに、何かが違ってゆく……。本当の幸せを模索する恋愛長篇。

またまた唯川恵さん。今度は長編小説です。

本作は、幸せに見える早映の心の奥で燻る不足感を描いた作品。

何もかも順風満帆に見える早映が変わっていったのは、結婚が求めている愛の形ではなかったから、どんな愛でも物足りない性質だったから、どちらなのでしょうね。

愛だけでなく、“幸せ”も答えがなく、難しいなあと唸ってしまいます。

個人的には、ラストの早映の女としての決着の付け方がとても好きでした。

完全に満たされることはこんなに難しいけれど、人は愛を求めることを止められないと痛感させられる一冊です。

村山由佳『ありふれた愛じゃない』

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ありふれた愛じゃない (文春文庫) [ 村山 由佳 ]
価格:803円(税込、送料無料) (2022/4/27時点)


あらすじ

銀座の老舗真珠店に勤務する32歳の真奈。女性上司に敵視されつつも仕事は充実し、私生活では年下の恋人と半同棲生活を送っていたが、出張先のタヒチで彼女を待っていたのは元彼との再会だった。抑えようとしてもなお、二人の男の間で揺れる心。生命力溢れるタヒチが真奈を変えてゆくのか。珠玉の恋愛長篇。解説・ブルボンヌ

個の意思を尊重するタヒチの暮らしぶりやパートナーへの考え方が、私にとっては非現実的で、本当にありふれていませんでした。

全てのしがらみを解き放ち、タヒチに行きたい!!と思ってしまいましたね。

えー!そんな展開あり?!と思ってしまうような場面もありましたが、何せ「ありふれた愛じゃない」ですからね。許されますね。

社会性や年齢、周りの目に疲れ、思いのまま生きたくなったあなたは読んでエナジーチャージしてください。

尾形真理子『隣人の愛を知れ』

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

隣人の愛を知れ (幻冬舎文庫) [ 尾形真理子 ]
価格:781円(税込、送料無料) (2022/4/27時点)


あらすじ

不倫と仕事に一生懸命なパラリーガル、初恋の相手と同棲を続けるスタイリスト、夫の朝帰りに悩む結婚3年目の妻……。誰かを大切に想うほど淋しさが募る彼女たちの日常は、予想外の“事件”をきっかけに一変する。自分で選んだはずの関係に、どこで決着をつけるのか?素直になる勇気を得て、新しい人生へ踏み出す6人の軌跡を描いた恋愛小説。

ルミネの広告が有名な尾形真理子さんの短編集。

ルミネのコピー、いつも私はグッとときめくのですが、本作もメモしたくなる文章が盛りだくさんです。

六人が織りなす様々な愛の形。平穏な愛から許されない愛まで。

けれども、みんな一生懸命生きていて、応援したくなってしまうのですよね。

そして、全て読見終えると、タイトルが心に響きます。

家族や友人、恋人等相手を問わず身近な人に愛されていることに、皆さん気付けていますか?

そんな思いを感じ取る一冊でした。

まとめ

ご紹介した5冊だけでも、愛には様々な形があることが分かりますよね。

私もまだまだ自分にとっての正解すら見つけられていませんが、きっと人間にとって“愛”は永遠のテーマなのでしょう(急に壮大)。

子どもや動物、植物などに注ぐ愛もありますが、愛の中でも恋愛が一番複雑で難しいのではないかと思っています。

けれど、人は誰かを愛さずにはいられない生き物だと信じているので、これからも様々な愛の形に小説、現実問わず触れていきたいと思います。

みなさんの愛の形に近い小説があれば、ぜひ教えて下さい。






タイトルとURLをコピーしました