6月と言えば、ジューンブライド!
ということで、結婚にまつわる小説をご紹介します。
結婚にまつわると言っても、結婚に向けてのワクワクしたものから、不倫、子育て、介護等々山ほどありますよね。
今回は、以下の二つを条件として、作品を選びました。
・タイトルに「結婚」と入っている
・結婚前ではなく、結婚後の男女の感情の機微に重きを置いている
なぜかって?私が男女のどうしようもなさを描いた作品が大好きだからです。(笑)
ジメジメした季節、あえてジメジメした本を読むことで、気づかなかった自分の思いや価値観に出会うことがあるかもしれませんよ♪
(読み手によっては前向きに感じられる物語も一部含まれていますので、ご安心を!)
山内マリコ『かわいい結婚』
結婚して専業主婦となった29歳のひかりだが、家事能力はゼロ。こんなに嫌いな家事が一生続くだなんて……これがゴールなら、私は誰とも恋なんかしない!(「かわいい結婚」)。いまどき女子の本音をおしゃれに鋭く描いて大人気の著者が、結婚生活の夢とリアルをコミカル&ブラックに描く、3つの短編集。
家事能力ゼロ。私のことかな?と思い購入した一冊。
ひかりの心情描写がなんともまあコミカル。ちょっとイラつくくらいに。(笑)
義理の両親からの圧や、夫の態度、きっといつの時代も蔓延るモヤッとした男尊女卑。
パートに出ることで、ひかりの世界は広がり、考え方が成長していきます。
そんなひかりが最後に出した結論、私はなんだか好きです。
この作品は、これから結婚する人にぜひ読んでもらいたいですね。
きっと、なんとかやっていけるだろうと思えるはずです。
山本文緒『紙婚式』
一緒に暮らして十年、小綺麗なマンションに住み、互いの生活に干渉せず、家計も完全に別々、という夫と妻。傍目には羨ましがられるような二人の関係は、夫の何気ない一言で裂けた。
一緒にいるのに満たされない、変化のない日常となってしまった結婚のやるせなさ、微かな絆に求めてしまう、そら恐ろしさ。表題作「紙婚式」他、結婚の中で手さぐりあう男女の繊細な心の彩を描いた、新直木賞作家の珠玉短編集。
夫婦の数だけ結婚の形がある、と改めて思わされる一冊。
男も女も勝手だし、一生根本的に理解し合うことはできないと痛感させられます。
リアルすぎる男女の感情が、これでもか、というほど詰め込まれています。
そんな男女がどんな結末を迎えるのか、どの作品も描かれてはいません。
きっと、彼らは変わらず暮らしていくのでしょう。
自分なら、と結末を想像してみるのも楽しい読み方の一つですね。
正直、どの状況にもなりたくはありませんが…。
群ようこ『姉の結婚』
結婚のご祝儀をめぐる、若い夫婦の人には言えない悔しい思い「御祝儀袋」。給料手取り十三万五千円のOLが家賃八万円のマンションに住むために、日々一円との闘いに明け暮れる倹約生活のなかで生まれる意外な感想「家賃」。普通と平凡が合体したような男と結婚した姉。たちまち破局がやってきて、目ざましい姉の変貌ぶりが可笑しい表題作。ささやかな見栄を支えに明るく生き抜く女たちの物語。
「お金」はあるに越したことはないけれど、「お金」だけではうまくいかない。
そんな、当たり前だけど、改めて言われるとそうだな〜としみじみしてしまうお話が盛りだくさん。
SNSや恋愛指南書で、「いい男の見分け方!こんな男性と結婚したら幸せになれる!」と言われても、幸せになれるかどうかは自分が決めることであって、どんな人がいいかは人によりますよね。
みんながいいと言ったから、側から見て良さそうだから必ずいい、ということは決してありません。
自分の感覚を信じよう!と思わせてくれる一冊です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
結婚に対する自分の価値観が変わったり、強まったりしたでしょうか。
3作を通して私が感じたのは、「変わらないものはない、確実なんてものはない」ということです。
だからこそ、その時その時に納得できる選択をしていきたいものですね。