猛暑ですね。
本当に暑い、という言葉しか出てきません。
8月、夏休みっぽいことをしたいけれど、あいにく海外旅行には行きづらいし、何より暑い。
そう、暑いです。
そんなあなたに贈りたい、家にいながら海外旅行気分が味わえる小説3選です!
原田マハ『ロマンシエ』
政治家を父に持つアーティストの卵・遠明寺美智之輔は、恋愛対象が同性の乙女な男子。同級生の高瀬君への恋心を秘めたまま、日本の美大を卒業後、単身、パリへ留学した。ある日、美智之輔は印象的な風貌の羽生光晴という女性と知り合う。偶然にも彼女は、美智之輔が愛読する超人気小説の作者で、訳あってリトグラフ工房に匿われていた。過去に、ピカソなどの有名芸術家たちが作品を生み出してきたプレス機が並ぶその工房で、リトグラフに魅了された美智之輔は、光晴の生活をサポートしつつ、リトグラフ制作をすることになるが──。
花の都パリの雰囲気が存分に味わえる一冊。
パリの街並みや食事、行き交う人々が目の前を歩いているかのように浮かびます。
後半は、訳あってドーヴィルという浜辺の町まで足を延ばし逃避行!
都会のパリとは違う、フランスの町の温かさや自然の美しさに心奪われます。
主人公のように、あ~もう(現実に)帰りたくない!という気持ちになるかも?!
江國香織『冷静と情熱のあいだ』
あおいと順正はかつて恋人だった。いまはミラノで暮らすあおいのこころの中に、順正との思い出がフラッシュバックをはじめた。あの約束の一日、約束の地へ…女と男。それぞれの視点で紡ぐーひとつの恋。すれ違い、重なり合う、男女の想いを描いた、かつてない共作。今世紀最後の、最高の恋愛小説。
『ロマンシエ』の明るく爽やかな雰囲気とは打って変わり、こちらはイタリアの曇り空をシックに書き上げた一冊。
かつての恋人との約束と、人から羨まれるような恋人との生活の中であおいの心が揺れ動く様が、イタリアの移りゆく景色とともに描かれています。
私はイタリアを訪れたことがありますが、その時の明るく陽気な印象というより、少し乾いていて、大人びているイタリアの顔を知ることができます。
落ち着いた大人な旅をしたいあなたにおすすめです。
村山由佳『ありふれた愛じゃない』
銀座の老舗真珠店に勤務する32歳の真奈。女性上司に敵視されつつも仕事は充実し、私生活では年下の恋人と半同棲生活を送っていたが、出張先のタヒチで彼女を待っていたのは元彼との再会だった。抑えようとしてもなお、二人の男の間で揺れる心。生命力溢れるタヒチが真奈を変えてゆくのか。珠玉の恋愛長篇。
南国のリゾート・タヒチ。
その名を聞くだけで、透き通った海が目の前に広がるようです。
現地のレストランでとる食事、バーで飲むお酒が非日常を感じさせます。
何より、自分の気持ちを大切に暮らす現地の人々との触れ合いが、主人公の真奈だけでなく、私たち読み手の気持ちもほぐしてくれます。
真奈と共に日常の喧騒から離れ、美しい海に想いを馳せながら自分の内面に耳を傾けたくなる一冊です。
まとめ
気になる旅先は見つかったでしょうか?
本は、どこにいてもページを開くだけで行きたい場所に連れて行ってくれる、何より早い交通手段だと私は思っています。
今年の夏は、ぜひ本の中で何カ国も回ってみてくださいね♪